海外FXでは預けた資金は補償されるのか?

この投稿文は次の言語で読めます: 日本語

資産運用の方法としてFX(外国為替証拠金取引)を選んだ場合、国内よりも海外のFX業者の方が超ハイレバレッジで取り引きできるのでハイリターンを期待できます。

しかし、日本の金融庁の認可を受けていない海外のFX業者に資産を預けて、本当に大丈夫なのだろうかという不安もあり、なかなか海外FXを始められないという人もいるのではないでしょうか。

今回は海外のFX業者ではどのような補償を受けられるのかについてお伝えしていきます。

信託保全とは

国内のFX業者は義務付けられている

 

 

国内のFX業者は金融庁に認可されライセンスを所有するため、「信託保全」を行っています。2010年以降義務付けらましたので、基本的に国内のFX業者はすべて信託保全をして、投資家の資産を守っています。

 

信託保全とは、投資家の資産を自社の資産と分離し、三井住友銀行やみずほ銀行などの信託銀行(または信託業務の兼業を受けた銀行)に預けて管理するものです。

 

もし、FX業者が破綻した場合でも、投資家の資産は差し押さえられることなく、管財人の判断で投資家に返却されることになっています。

 

また信託銀行が破綻した場合にも、債権者が信託金を差し押さえできないようになっているので、投資家は二重のセーフガードに守られているのです。信託保全が安全と考えられているのはこのような仕組みになっているからです。

 

このような投資家保護の姿勢は、2007年に札幌FXが破綻した際に投資家の資産の5%しか返還されなかったことが引き金になっています。

 

海外のFX業者で信託保全は一部

 

 

一方で海外のFX業者は金融庁のライセンスを所有していません。OANDA JAPANのように日本支社が金融庁のライセンスを所有しているケースもありますが、こうなると信託保全される代わりに、レバレッジも規制の対象となるので、レバレッジは最大で25倍になってしまいます。

 

ですから海外のFX業者は基本的に日本以外の国のライセンスを所有しています。中には完全無許可ブローカーも存在し、悪質な場合、資産を持ち逃げされるリスクがありますので注意してください。どこのライセンスを所有しているのかは必ず確認しましょう。

 

他の国の場合は、信託保全が義務化されていないので、信託保全のサービスを行っているFX業者は一部になります。こう聞くと「信託保全されていない=危険大」というイメージが強くなってしまうかもしれませんが、決してそのようなことはありません。信託保全に代わる補償システムでしっかりとカバーしているFX業者が大部分です。

 

スポンサーリンク

分別管理の海外FX業者の安全性

 分別管理とは

 

 

海外のFX業者は、信託保全ではなく「分別管理」しているケースがほとんどです。自社の運営資金とは分けて別の銀行で投資家の資産を管理しているのです。信託保全よりもややリスクがあるのは、完全に第三者機関が投資家の資産を管理しているわけではないので、名義上が同じであればFX業者が破綻した際にどちらの口座も債権として振り分けられてしまう可能性があるということです。

 

ただし、日本人トレーダーの絶大な支持を受けている「XM」はイギリス大手の「バークレイズ銀行」に分別管理しており、資産の横領などが起きないように厳格に目を光らせています。またキプロスライセンス(CySEC)は投資家補償基金(ICF)に加盟することが義務化されているので、最大で2万ユーロまで補償されることになっています。

 

2015年のスイスフランショックでイギリス大手のFX業者であるアルパリが破綻した際には、イギリスライセンス(FCA)の投資家補償基金制度を利用することによって、投資家の資産は補償されました。

 

このように分別管理していても、信用できる銀行を利用しており、投資家補償基金に加盟していれば信託保全同様に安心して資産を預けることができます。

 

オフショア市場のライセンスの補償

 

確かに審査の厳しいライセンスを所有しているものの、日本人トレーダー向けの別法人では別のライセンスを所有しているというケースが多くあります。問題はその境を曖昧にして情報を伝えているサイトが存在するということです。

 

例えばFCAライセンスを所有しているLAND-FXは、LandFX UK Ltd.の話であって、日本人トレーダーが利用するLAND Prime Ltd.はニュージーランドのライセンスすら所有しているかどうかも不明になっています。この場合、サイト上ではFCAの投資家補償基金制度を利用できると記載されていますが、あくまでもLandFX UK Ltd.に該当する補償であって、日本人トレーダーは対象に入っていません。

 

このように多くのFX業者が欧州証券市場局(ESMA)の規制を避けて、拠点をユーロ圏からオフショア市場に移し、日本人トレーダー用の別法人を設立しています。ESMAの規制を受けると超ハイレバレッジのサービスを提供できなくなるからです。ESMAの規制を受けると、日本国内でFXをするのとまったく変わりませんので顧客は離れてしまいます。

 

XMについても、日本人トレーダーは、CySECライセンスを所有しているXMは利用できませんので、ICFの補償対象にはなりません。日本人トレーダーが利用できるXMは、2016年にセーシェルライセンスを所有したXMXM Trading)です。バークレイズ銀行に分別管理している点は同じですが、ICFではなく、AIG保険(アメリカン・インターナショナル・グループ)に加盟しています。

 

AIGはアメリカのニューヨークに本社を持ち、世界130ヶ国に事業展開している最大級の保険会社になります。XMのサポートセンターに問い合わせてもAIG保険の詳細は一切公表してくれませんが、全体で100万ドル(110億円)まではカバーされていると憶測されています。

 

超ハイレバレッジを提供するためにオフショア市場に別拠点を持つFX業者も多くありますが、XMのようにバークレイズ銀行への分別管理とAIG保険の加盟といった手厚いサポートをしているケースは稀でしょう。日本人トレーダーに適さない補償を持ちだして安心させようとしているFX業者もあるのです。

 

海外のFX業者を利用することは、金融庁も認めてはいます。違法ではありません。ただし、あくまでも自己責任での取り引きとなります。いくら超ハイレバレッジで、スプレッドが狭くても補償が曖昧では、もしものときに大変なことになってしまいます。

 

海外のFX業者を利用する場合は、XMのように信頼できるシステムを提供しているFX業者を選ぶことが重要です。

スポンサーリンク

 関連記事

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事