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背景
自動売買ツールHeliosでの運用はUSドル絡みの銘柄に集中しており(USDJPY, EURUSD, GBPUSD)、ドル安トレンド発生時には同時に同じ方向の影響を受けてしまうため、銘柄の分散または別EAを組み合わせたポートフォリオ構築が課題の一つとなっています。
まずは銘柄分散の検討を進めており、色々検討した結果、株式指標の自動売買を試行することにしました。
以下、検討内容まとめになります。
前提
- XM内で運用可能な銘柄であること
- USドルとの相関性が強くないこと
- スプレッド、スワップ等の運用コストになる要素の影響が小さいこと
上記の軸で検討を進めた結果、まずは日経225(現物) をトライしてみることにしました。
検討結果
日経225はXMで運用可能か?
XMでは株式指標の取引が可能で、日経225の取り扱いがあります。
XMで取り扱い可能な銘柄はMT5上でレート表示をして、自動売買の対象に指定したり各種インジケーターを適用した分析を行ったりすることが出来ます。
参考までに、対象銘柄は以下のように表示されます。
銘柄が表示されない場合・・・
- 画面上部メニューから「表示」→「銘柄」を選択し、銘柄ウィンドウを開きます。
- 画面左側のサイドメニューにある銘柄分類を選択します。
- 画面中央に表示された銘柄一覧の中から、使用したいものをダブルクリックします。
アイコンが黄色になっているものが使用可能、グレーが未使用の銘柄を指します。 - OKボタンを押して銘柄ウィンドウを閉じます。
現物?先物?
株式指標には現物と先物があり、XM上でもどちらも選択可能です。
日経225の場合、
- 現物 : JP225Cash
- 先物 : JP225-MAR21(※ハイフンの後ろが期日を指し、時期によって銘柄が変わる)
今回は現物で。 先物は期日で強制決済されることを踏まえ、今回のEAのように日を跨いでホールドするケースを想定すると現物の方が合っています。
日経225はUSドルと相関性がある?
一般的にはドル円と日経平均は相関係数が1に近い(=正の相関。ドル円が上がれば日経平均も上がる) 関係があるようにも思いますが、
目先は量的緩和の影響で相関は崩れ、ドル安局面でも株高になる可能性は高いことから、相関は崩れるのでは、と考えます。
日経225の取引ロットの規模感は?
最小取引数量 : 1
FX通貨ペアだと最小ロットが0.01 等が多いですが、 本銘柄の場合は 1 lot が最小です
証拠金通貨 : JPY
円建で取引することになります。
契約サイズ : 1
1lot 当たりの取引量を指します。
FX通貨ペアの場合、 スタンダード口座は 100,000となっていて、1lot 取引すると 10万通貨に相当するのは、この契約サイズが影響しています。
契約サイズが1、証拠金が円建となるので、
例えばレートが100円動いた(例えば27,000円→27,100円)場合、10 lot で取引すると
10 x 100 = 1,000円の利益 ということになります。
ロット数がFXと比較して大きく見えますが、契約サイズと組み合わせて判断が必要です。
日経225現物のスプレッドは広い?狭い?
日経225現物(JP225Cash)のスプレッドは優秀で、12point(=1.2pips)でした。
参考までに、HotForex で同銘柄を取引する場合は93point(=9.3pips)。 証券会社によって差がありますね。
しかしHotForexが一概に不利というわけではなく、例えばUS500(=S&P500)の場合は XMが70, HotForexが41なので、HotForex有利となります。
日経225現物のスワップは?
- 証拠金通貨での買いスワップ値 -2.13
- 証拠金通貨での売りスワップ値 -2.31
となっています。
10lot をlong で1日 保有した場合、 スワップによる損益は 約-21円/日 ということになります。
自動売買は短期寄りの戦略が中心のため影響が出たとしても僅かですが、 長期投資(数年単位で保有)目的ならば別の証券会社で口座を開設した方が良いです。
日経225現物に対してバックテストが出来るか?
ヒストリカルデータを見ると、
- ~2016/05/26 : 日足
- ~2016/10/26 : 1時間足
- それ以降 : 1分足
の粒度でレートが提供されていました。
2016/10/26以降は1分足のレートが揃っているため、約4年間はバックテストが出来ることになります。
※実際に2016/10/26~2020/12/31でバックテストを行うと Old Tick 的なエラーが発生し、実行できず。 2017/09/01 以降は安定してテストできましたので、約3年分はテスト可能と判断しました。
その他の銘柄候補
ドル安前提で考えると、証拠金通貨がドルであれば必然的にドルを売ることになるため、該当銘柄のパフォーマンスは上がりやすいことになります。
(XMでは出来ませんが)仮に同じ銘柄に対して証拠金の選択が出来る時は、円高ドル安局面ならばドルベースで取引した方がパフォーマンスは良くなります。
利益はドル円の変換レートの問題が発生しますが、円へ変換するタイミングをコントロールするか、もしくはリスク分散も兼ねて円以外で資産を持つようにするのも良い案だと思います。
日本人は日本円で預金し、投資もしないか国内銘柄のみに投資をすることが多いのですが、それは日本円に全資産を集中投資していることと同義で、日本円の価値が下がり出すと、何もしないのに資産価値が減り続けることになります。
それを言い出したらUSドルも日本円も量的緩和の影響を受けるのでコモディティ有利という結論になりそうですが、XMはGold, Silver の取り扱いもあるため、この辺りも別途検討はしたいと思います。
コモディティも上昇局面にあるため、買い方向のEAを持っておくのは良い戦略になると思います。
EAバージョンアップ
リリース済の Helios ver 4.0 のままでは動作しませんでしたが、 軽微な改修で動作するようになりました。
基本ロジックはFXと同じですが、例によって大量のパラメータ群の調整によって挙動を変え、このパラメータはMT5の最適化機能を使用して調整していきます。
バックテスト結果
残高推移
バックテスト結果(詳細)
今年2月頃に発生したコロナショック(約3割、7,300円下落)を跨いだ期間でのテストとなりましたが、リスクを抑えめにすれば大きな下落局面でも耐えられそうな感じがします。
取引履歴
少々エントリーに波がある点はまだ改良が必要ですが、現状でも本番運用できそうかな、という感覚です。
スワップの影響
売買利益の約1割程度のマイナス。 結構重い感じがしますが、利確値幅を小さくし平均保有時間を短くする等も試しましたが、トータル損益はそこまで大きく変動しませんでした。
この辺りはスプレッド、スワップによってロジックやパラメータの調整が必要かもしれません。
まとめ
とりあえずリアル口座で上記EAを稼働させつつ、改善点の洗い出しを進めようと思います。
※FX用運用成績の口座と混ぜるとややこしくなりそうなので、別途新規口座開設します
もしβ版レベルでも活用したい方はEAを公開可能ですので、お問い合わせフォームからご連絡頂けますと幸いです。